治療後の歯の位置は最初とはある意味違う位置にあり、歯は少なからず元の位置に戻ろうとします。これを後戻りといいます。
この後戻りを防ぐための装置としてリテーナー(保定装置)と呼ばれる装置を使用します。歯を新しい位置で安定させるわけです。
当院では様々な種類をご用意しております。その中から患者さまのご希望も含め、噛み合わせの状態に合った装置を選択しております。
ベッグタイプリテーナー
歯の周りをしっかりワイヤーで取り囲み歯の移動を防ぐタイプ。(取り外し式)
ホーレータイプリテーナー
主に前歯部分をワイヤーで取り囲むタイプ。(取り外し式)
QCMリテーナー
上記のタイプと同じですが、歯を取り囲む表の部分(特に前歯の部分)がワイヤーではなく透明のタイプ。目立ちにくいタイプです。(取り外し式)
アスティクス リテーナー
QCMリテーナー同様、歯を取り囲む表の部分(特に前歯の部分)がワイヤーではなく乳白色のファイバー製です。目立ちにくいタイプです。(取り外し式)
クリアリテーナー(マウスピースタイプ・リテーナー)
透明のマウスピースタイプ。とても目立ちにくいタイプです。
ただし自分の歯同士が上下で直接咬み合わないので、積極的に噛み合わせを安定させたい場合などは適さない場合があります。(取り外し式)
犬歯間リテーナー(リンガル リテーナー)
糸切り歯と糸切り歯の間をを歯の裏側でワイヤーで固定するタイプ。(固定式)
上は取り外し式で、下はこの固定式で行う場合もあります。
しかし歯に固定してしまうので汚れや歯石が付きやすくなり虫歯や歯肉炎、歯周炎になることもあるので注意が必要です。
スプリングリテーナー
下の前歯が軽度に後戻りしてしまった場合などの改善に用いるタイプ。(取り外し式)
最近では軽度の後戻りならば、透明のマウスピースタイプで修正を行うことが多いです。
矯正歯科治療に伴う一般的なリスクや副作用について
未承認医療機器の使用について
●未承認医薬品等の使用・国内の承認医薬品等の有無について
マウスピース型矯正装置(インビザライン®)およびカスタムメイド型リンガルブラケット矯正装置(Incognito®)は、医薬品医療機器等法において承認を得ていない医療機器になります。医薬品医療機器等法の承認を受けておりませんので、医薬品副作用被害救済制度の対象外となる場合があります。
インビザラインのサポートソフトであるクリンチェックおよび光学スキャンに用いているこう口腔内スキャン装置iTero Elementは医薬品医療機器等法上の承認を得ています。
●入手経路について
マウスピース型矯正装置(インビザライン®)は米国アライン・テクノロジー社(Align Technology, Inc.)の製品となります。当院ではインビザラインシステムを、グループ会社のインビザライン・ジャパンから入手しております。
カスタムメイド型リンガルブラケット矯正装置(Incognito®)は、米国3M Unitek社の製品です。当院ではグループ会社である3Mジャパン社を通じて入手しています。
●国内の承認医薬品等の有無の明示
マウスピース型矯正装置はインビザラインの他にも様々な種類があり、その中には国内で薬事承認を得ているマウスピース型矯正装置もあります。
リンガルブラケット矯正装置として国内で承認された、Incognito®と同様の医療機器があります。
日本国内で医療機器と認められるためには、薬事承認されている材料を使用して、日本の国家資格を持った歯科医師または歯科技工士が製作したもの(歯科技工物)・薬事承認された既製品である必要があります。海外で製造されているマウスピース(インビザライン®)、リンガルブラケット矯正装置(Incognito®)はあてはまりません。
●諸外国における安全性等の情報
インビザラインは、全世界で800万以上の症例数を持つ治療システムです。(2021年時点)
歯科矯正の一般的な個別のリスク以外でインビザラインに特有の重大な副作用の報告はありません。
Incognitoは世界の90か国以上で採用され、ヨーロッパでのシェアは 60%以上です。(2019年時点)これらの国において、重篤な副作用の報告はありません。