リテーナーの種類

リテーナーの種類

治療後の歯の位置は最初とはある意味違う位置にあり、歯は少なからず元の位置に戻ろうとします。これを後戻りといいます。この後戻りを防ぐための装置としてリテーナー(保定装置)と呼ばれる装置を使用します。歯を新しい位置で安定させるわけです。当院ではさまざまな種類をご用意しております。その中から患者さまのご希望も含め、噛み合わせの状態に合った装置を選択しております。

ベッグタイプリテーナー

歯の周りをしっかりワイヤーで取り囲み歯の移動を防ぐタイプ。(取り外し式)

ホーレータイプリテーナー

主に前歯部分をワイヤーで取り囲むタイプ。(取り外し式)

QCMリテーナー

上記のタイプと同じですが、歯を取り囲む表の部分(特に前歯の部分)がワイヤーではなく透明のタイプ。目立ちにくいです。(取り外し式)

アスティクス リテーナー

QCMリテーナー同様、歯を取り囲む表の部分(特に前歯の部分)がワイヤーではなく乳白色のファイバー製です。目立ちにくいタイプです。(取り外し式)

クリアリテーナー(マウスピースタイプ・リテーナー)

透明のマウスピースタイプ。とても目立ちにくいです。ただし自分の歯同士が上下で直接噛み合わないので、積極的に噛み合わせを安定させたい場合などは適さない場合があります。(取り外し式)

犬歯間リテーナー(リンガル リテーナー)

糸切り歯と糸切り歯の間を歯の裏側でワイヤーで固定するタイプ。上は取り外し式で、下はこの固定式で行う場合もあります。しかし歯に固定してしまうので汚れや歯石が付きやすくなり虫歯や歯肉炎、歯周炎になることもあるので注意が必要です。

スプリングリテーナー

下の前歯が軽度に後戻りしてしまった場合などの改善に用いるタイプ。最近は軽度の後戻りならば、透明のマウスピースタイプで修正を行うことが多いです。(取り外し式)

矯正歯科治療に伴う一般的なリスクや副作用について

  • 最初は矯正装置による不快感、痛み等があります。数日間~1、2週間で慣れることが多いです。
  • 歯の動き方には個人差があります。そのため、予想された治療期間が延長する可能性があります。
  • 装置の使用状況、顎間ゴムの使用状況、定期的な通院等、矯正治療には患者さまの協力が非常に重要であり、それらが治療結果や治療期間に影響します。
  • 治療中は、装置が付いているため歯が磨きにくくなります。虫歯や歯周病のリスクが高まりますので、丁寧に磨いたり、定期的なメインテナンスを受けることが重要です。
    また、歯が動くと隠れていた虫歯が見えるようになることもあります。
  • 歯を動かすことにより歯根が吸収して短くなることがあります。また、歯ぐきが痩せて下がることがあります。
  • ごくまれに歯が骨と癒着していて歯が動かないことがあります。
  • ごくまれに歯を動かすことで神経が障害を受けて壊死することがあります。
  • 治療途中に金属等のアレルギー症状が出ることがあります。
  • 治療中に「顎関節で音が鳴る、顎が痛い、口が開けにくい」などの顎関節症状が出ることがあります。
  • さまざまな問題により、当初予定した治療計画を変更する可能性があります。
  • 歯の形を修正したり、噛み合わせの微調整を行う可能性があります。
  • 矯正装置を誤飲する可能性があります。
  • 装置を外す時に、エナメル質に微小な亀裂が入る可能性や、かぶせ物(補綴物)の一部が破損する可能性があります。
  • 装置が外れた後、保定装置を指示通り使用しないと後戻りが生じる可能性が高くなります。
  • 装置が外れた後、現在の噛み合わせに合った状態のかぶせ物(補綴物)や虫歯の治療(修復物)などをやり直す可能性があります。
  • 顎の成長発育により噛み合わせや歯並びが変化する可能性があります。
  • 治療後に親知らずが生えて、凸凹が生じる可能性があります。
    加齢や歯周病等により歯を支えている骨が痩せると噛み合わせや歯並びが変化することがあります。その場合、再治療等が必要になることがあります。
  • 矯正歯科治療は、一度始めると元の状態に戻すことは難しくなります。