はじめまして。院長の益田 勉です。
矯正治療は、歯を骨の中で移動させつつ、それだけでなく噛み合わせも同時に改善していく治療です。金属やプラスチック、セラミック、インプラントなどの人工的な物で歯や噛み合わせを治すのではなく、矯正治療は体の一部を変化させながら治療を行うのが特徴です。
体質や体型を改善するのに時間がかかるのと同じように、矯正治療も体の生理的現象を活かしつつ行うため治療期間がそれなりにかかります。
その中で治療期間を短縮するためには体のもつ生理的な適正な範囲で歯をいかに効率よく移動させるかが鍵になります。そのためには患者さまの状態に合った治療方法・効率のよい装置の選択など、あらゆる要因が関係します。
このような技術を会得するためには非常に時間がかかります。医科で外科と内科がわかれているように、矯正歯科が専門として特化しているのはそのためです。
装置を使えば歯並びはある程度改善します。しかしただ単に歯が並べばよいというわけではありません。患者さまにとって安定した歯並びと噛み合わせがあります。そこへいかに治療のゴールをもっていくかが重要です。
恩師によく言われたことがあります。
「ただ単に歯を並べるだけの歯並べ屋になってはいけない。医療なのだから見た目だけでなく治療後生涯に渡って歯を健康な状態に保てる歯並びと噛み合わせをつくらなければならない」
「患者さまの治ろうとする力をできる限り活かすシンプルな治療の方法と装置の選択が大切」と。
治療中はいつもこの2つの言葉を自分に言い聞かせながら治療に取り組んでおります。
また矯正治療はご自身の体の一部を改善することなので、治療がうまくいく秘訣は患者さまとの協力関係がとても重要です。矯正歯科医と患者さま、とくにお子さまの場合は親御さまも含め治療を進めることがよい結果につながります。
また治療は患者さまのご希望やライフスタイルも踏まえて行います。そこには患者さまとの治療の協力関係に加え、信頼関係がなければお互いに安心した治療が行えないだろうと考えております。治療方法に関してはさまざまな面からご説明をさせていただき、歯科医学的な面からメリットとデメリットをよくご理解していただいた上で治療を行うようにしております。
治療がうまく行くためには治療の技術だけでなく、当院ではそれと同じくらい治療ごとの患者さまとの対話・コミュニケーションがとても大切と考えております。診療室、カウンセリングルームは成人の方もお子さま・親御さまも含め「お一人おひとりの診療時間と対話を大切にしたい」そのような思いをかたちとして表現させていただいております。“治療というと大変”とイメージではなく、治療はひとつの手段として“最終的には素敵な笑顔になること!”そして“生涯できる限り自分の歯で健康に過ごすこと”そのための矯正治療を目的に一緒に治療を進めていくことができればと考えております。
装置を外した時のY.Mさんの素敵な笑顔が嬉しかったですし、いただいたこのお手紙はさらに嬉しかったです!大切にしていますよ。私もこの手紙を見ては幸せな気持ちになります。そして患者さま皆がこのような気持ちになってもらえるように、この手紙のことを思い浮かべながら診療に取り組んでいます。
成人に比べて、お子さまの矯正治療は治療期間が長くなります。そのせいでしょうか?歯科医師や歯科衛生士の仕事に興味をもつお子さまが多いんです。小学生の頃から治療を受けていた子が高校生になったとき、恥ずかしそうな顔をして報告してくることがあります。
「わたし、衛生士になることに決めました!」
「将来、歯医者さんになりたいです!」
こんな言葉を聞くと、治療を通じてお子さまの心に何か響くものがあったというだけで、とっても嬉しくなります。そんなお子さまたちが成長して親になったとき、今度はその子のお口の健康にも気を遣うようになります。こうして親から子、子からそのまた子へと、受け継いでいって欲しいと思います。
患者さまが笑顔になれる口元を作る矯正歯科医院でありたいですね。
わたしは高校生時代から手先が器用だったせいか、物を作るのが好きでした。寺社仏閣などの建造物に興味があり、将来は建築設計士か歯科医師になりたいと思っていたんです。
とくに構造力学に興味があり、一つひとつのパーツを組み立てて一つの形に作り上げていく、そんな仕事がしたいと思っておりました。建築設計士と歯科医師、どちらも魅力的な仕事でずいぶん迷いましたが、より手を動かすことが多い歯科医を目指し、矯正治療のスペシャリストになるために大学に残りました。
ところで、設計士と歯科医師はまったく共通点がないように思えますが、両方とも“一つの形を作り上げていく”仕事です。歯科治療は患者さまのお口を一つの単位として捉え、美しい歯並びや正しい噛み合わせ、あるいは歯の色などを考えながら、トータル的な美しさに作り上げます。そんなところが矯正治療の面白さであり、魅力なのかな?と思います。
わたしは一つのことに興味をもつと突き詰めたくなる性分で、大学に残ったのも歯科矯正のスペシャリストになりたかったからです。
どちらかというと、明確な目標に向かい、まっすぐ進んでいくタイプです。だからといって視野を狭くしたくはありません。一つの治療方法にこだわったり、考え方や物の見方に偏ったりせず、いろいろな角度から物事を考え検討する…。柔軟なバランス感覚をもっていたいと思うんですね。
治療手段も同じです。「これしかやらない」と考えることは、治療の可能性を狭めてしまうと思うのです。大切なことは、患者さまにとってよい結果をもたらす治療を行うことです。よい結果をもたらすものであれば、今までの治療方法にこだわる必要はありません。こうした考えから、治療効果があると思われるものは、積極的に取り入れています。
高校生時代、寺社仏閣の建築技法の書物を読んでから、すっかり建造物の魅力にはまってしまいました。寺社仏閣の面白さは、どっしりした建造物が釘を一切使わずに建っていることですよね。東大寺や興福寺、大覚寺などを回っては、いつも感心していましたね。
最近では多忙でめっきり寺社仏閣を訪れる機会がなくなってしまいましたが、建築物や空間デザインには今でも興味があります。
そんなわたしの何よりのリフレッシュは、休日に娘と一緒に遊ぶこと。普段子供と触れ合う時間が少ないので本当に楽しい!できれば子供を連れて美術館や雑貨屋、店舗デザインなど、デザインに関するものを見に行きたいですね。
寺社仏閣が好きというと、インドア派と思われがちですが、学生時代はアーチェリー部に所属し、歯科大学の大会に参加したこともあるんです。スポーツは結構好きで、公式テニスもやっていたんですよ。
また、実は…ビーズアクセサリー制作も趣味のひとつ。
男性で趣味にしている方は少ないでしょうし、お見せする程でもないのでちょっと恥ずかしいですが。ビーズアクセサリー制作に使用する道具と、矯正歯科に使用する器具は、使用方法がほぼ同じなんです。同じ趣味の患者さまがいらっしゃると、話が盛り上がってしまいます。
寺院建築で一つひとつの部材が組み合わさって大きな一つの建築物になっているのを観るのと、一粒ひとつぶのビーズが連なって作品ができ上がって行くときの達成感は、同じ感動を呼び覚まされます。矯正治療ともかなり通じるものがあってやめられないかもしれません。
建築が好き、インテリア・デザインが好き、ビーズや何かを作ることが大好きです。
小学生の頃は針金で三輪車やゴム鉄砲などを作っていました。今の職業と同じような道具を使ってワイヤーを曲げていろいろなものを作っていました。矯正治療で必要なことを小さい頃にも同じようなことをやっていたかと思うと自分でも笑ってしまいます(笑)
2011年に恵比寿に開業していろいろインテリはいじっていましたが、2020年に同じ恵比寿で拡大移転をしてインテリアに関してはさらに好きなようにさせてもらっています。
2022年には宝塚に沼りました。もともと母と姉がファンで小さい頃から劇場に連れて行かれたり、家では毎日ビデオが流れていたり宝塚は日常のものでした。
全く他人事だったのですが自分がハマってしまってちょっと動揺。
宝塚の方(ジェンヌさん)は容姿端麗で歯並びもきれい、舞台装置や音楽、そして衣装や髪飾り、アクセサリーも美しい。 職業柄、骨格や口元からどうしても見てしまうのですが「美しいとは」ということを勉強させてもらっています。
口元だけでなく所作や話し方、ダンス・歌、そのほか舞台に関わるすべてのことから「美しさとは」ということを感じられる素敵な場所です。矯正治療にも活かしていきたいことが沢山あります。
恵比寿ますだ矯正歯科
EBISU MASUDA ORTHODONTIC CLINIC
院長 益田 勉(ますだ つとむ)
【経歴】
東京都杉並区生まれ
1996年 岩手医科大学歯学部卒業
2000年 歯学博士号取得
2001年 日本矯正歯科学会認定医取得
2008年 岩手医科大学歯学部非常勤講師
2009年 日本矯正歯科学会指導医取得
都内各所: 銀座、渋谷、錦糸町、北赤羽および茨城(結城)、
静岡(駿河区)のクリニックで矯正歯科専門医として診療に従事
2011年 恵比寿ますだ矯正歯科開設
2020年 同恵比寿にクリニックを拡大移転
【所属学会】
【主要論文】
Infuluence of dexamethasone on masseter muscle wet weight in growing rats:Tsutomu Masuda,Kazuro Satoh,Hiroyuki Miura Orthodontic Waves 68:6-11,2009
早期の睡眠態癖に対する指導と急速拡大装置の適用により顔面非対称を改善できた1症例 益田勉,千葉充,佐藤和朗,三浦廣行東北矯正歯科学会雑誌 11:39-46,2003.
飼料性状の違いがラット咬筋の筋内代謝物質含有量に及ぼす影響について
-1H-MRSによる咬筋内代謝物質の定量および評価-益田勉
岩手医科大学歯学雑誌 24巻 220~232 1999
【共著論文】
In vitro 1H-NMR spectroscopic analysis of metabolites in fast-and slow-switch muscles of young rats:Magnetic Resonance in Medical Sciences 1:7-13,2002.
噛みしめが重心動揺に及ぼす影響に関する研究:顎機能学会雑誌 4巻 133~143 1998
【雑誌掲載】
2006年 平成18年 別冊Quintessence 矯正YEAR BOOK’06,CASE STUDY 下顎の右側偏位をともなった反対咬合症例:益田勉 クインテッセンス出版,194~200(MEAWを用いて非抜歯で反対咬合と下顎の偏位を改善した成人矯正症例)
【著書(分担執筆)】
矯正歯科治療に伴う一般的なリスクや副作用について