治療期間・流れ

治療期間・治療の流れ

矯正治療は力を加えながらゆっくり歯を移動させていくため、どうしても治療期間が長引いてしまいます。矯正治療は歯を骨の中で移動させながら歯並びを治しつつ、上下の噛み合わせも同時に治療していく複雑な治療です。

矯正装置や治療法によっては期間を短縮できることがありますが、極端に早く動かそうとすると歯や骨に無理な力が加わり、安定した治療結果が得られません。よく強い力で歯を引っ張れば早く動くのではと思われる方は多いかもしれません。

しかしながら強い矯正力では逆に歯が動かなくなるだけでなく、歯根(歯の根っこ)も吸収してしまう場合があります。体の反応を越えた治療はどこかにひずみが生じます。

当院では矯正後の安定を重視するために、成人の矯正治療は治療期間を1年半~2年を目安にした治療を行っています。また期間中は、定期メインテナンスのために、3~4週間に一度通院していただいています。

人の身体ですので限られた条件はさまざまありますが、その中でできる限り治療期間を短縮するようにしています。目立たない装置でできる限り早く、しかもきれいに治ることが患者さまの望まれるところだと思いますが、これは私自身も一番に目指すところです。

そのためにひとつでも多く歯が効率よく動く治療方法や矯正装置を駆使し、できるだけ患者さまのご要望を満たすよう心がけていますので、まずはご相談ください。

<当院の治療の特徴>

  • 体に優しい力で治療後の安定を重視した治療
  • 歯に負担をかけないように、治療期間は1年半~2年が目安
  • 定期メインテナンスは3~4週間に一度

治療の流れ

ステップ1.カウンセリング

歯並びや噛み合わせが悪くなった原因を探り、患者さまのご希望をお聞きしながら、矯正治療の概略(装置・期間・費用など)をご説明します。

ステップ2.検査

適切な治療計画を立てるために、精密検査を行い、お口の中の状態を正確に調べます。検査はレントゲン撮影・歯型取り・顔や口の中の写真撮影を行います。また全身の健康状態や歯並び・噛み合わせに影響を与える生活習慣、食習慣や嗜好品に至るまで、詳しくお聞きすることがあります。

ステップ3.検査の結果の説明

検査結果をもとに治療方針を立てます。治療計画は装置や期間、費用なども含め、できるだけ患者さまの要望を考慮しながら、分かりやすく説明いたします。また治療に対する疑問や不安がある方には、ご納得いただけるまでお答えします。

ステップ4.矯正治療スタート

歯を動かす治療を始めるために矯正装置を装着します。この期間は効果的な治療を行うためにも、患者さまご本人やご家族の協力が必要です。

ステップ5.治療期間

矯正装置を装着した後は、4~6週間に1度、定期メインテナンスのために来院していただきます。メインテナンスは装置の確認と調整、お口の中全体の異常や虫歯のチェック、必要に応じて歯磨き指導も行います。

ステップ6.装置の取外し保定装置の装着

歯が完全に移動し歯並びや噛み合わせが整ったら、矯正装置を取り外します。その後、動いた歯を固定させるための保定装置を装着します。

ステップ7.保定期間

後戻りを防ぐために、保定装置で歯を完全に固定させます。4~6ヶ月毎に来院していただき、噛み合わせの確認やお口の中のチェックを行います。

矯正歯科治療に伴う一般的なリスクや副作用について

  • 最初は矯正装置による不快感、痛み等があります。数日間~1、2週間で慣れることが多いです。
  • 歯の動き方には個人差があります。そのため、予想された治療期間が延長する可能性があります。
  • 装置の使用状況、顎間ゴムの使用状況、定期的な通院等、矯正治療には患者さまの協力が非常に重要であり、それらが治療結果や治療期間に影響します。
  • 治療中は、装置が付いているため歯が磨きにくくなります。虫歯や歯周病のリスクが高まりますので、丁寧に磨いたり、定期的なメインテナンスを受けることが重要です。
    また、歯が動くと隠れていた虫歯が見えるようになることもあります。
  • 歯を動かすことにより歯根が吸収して短くなることがあります。また、歯ぐきが痩せて下がることがあります。
  • ごくまれに歯が骨と癒着していて歯が動かないことがあります。
  • ごくまれに歯を動かすことで神経が障害を受けて壊死することがあります。
  • 治療途中に金属等のアレルギー症状が出ることがあります。
  • 治療中に「顎関節で音が鳴る、顎が痛い、口が開けにくい」などの顎関節症状が出ることがあります。
  • さまざまな問題により、当初予定した治療計画を変更する可能性があります。
  • 歯の形を修正したり、噛み合わせの微調整を行う可能性があります。
  • 矯正装置を誤飲する可能性があります。
  • 装置を外す時に、エナメル質に微小な亀裂が入る可能性や、かぶせ物(補綴物)の一部が破損する可能性があります。
  • 装置が外れた後、保定装置を指示通り使用しないと後戻りが生じる可能性が高くなります。
  • 装置が外れた後、現在の噛み合わせに合った状態のかぶせ物(補綴物)や虫歯の治療(修復物)などをやり直す可能性があります。
  • 顎の成長発育により噛み合わせや歯並びが変化する可能性があります。
  • 治療後に親知らずが生えて、凸凹が生じる可能性があります。
    加齢や歯周病等により歯を支えている骨が痩せると噛み合わせや歯並びが変化することがあります。その場合、再治療等が必要になることがあります。
  • 矯正歯科治療は、一度始めると元の状態に戻すことは難しくなります。