幅広い矯正治療の中から症例や患者さまのご希望に合わせたより良い治療法をご提供できるのが、矯正歯科治療を専門とする歯科医師ならではと自負しています。矯正治療にはまったく同じ症例はありません。治療を重ねるほど奥深くなり、難しさを感じますが、それだけにやりがいを感じています。
矯正治療に来られる患者さまの中には単に歯並びを治したいだけではなく、就職や転職、留学など、人生の転機に自信をもって自分の夢にチャレンジしたい方や、結婚式前に矯正治療を行い素敵な笑顔で新生活をスタートさせたいとお考えの方も多くいらっしゃいます。当院では、矯正治療を通じて、そんな方々を応援したいと考えています。
また、当院にはセカンドオピニオンを含め、さまざまな方が相談に来られます。その中には、他院では治療できないと言われたり、いったん治療を受けたが満足できなかったという方は珍しくありません。院長はいつも矯正治療によって一人でも多くの方に幸せになっていただきたいと願い、患者さま一人ひとりに向き合い、真摯に取り組んでいます。
当院の院長は、1,500症例以上の治療経験を持ち、これまでにさまざまな治療法や装置を用い、矯正治療の可能性を広げてきました。
当院の矯正治療は幅広い治療方法と多種類の矯正装置を駆使した治療です。一般的なワイヤー矯正から舌側矯正、マウスピース矯正、インプラント矯正など、一人ひとりの患者さまに合わせた治療方法をご提案しています。
また矯正装置も多数取り揃え、表側の装置でもできる限り目立ちにくいセラミック、ジルコニア、サファイアから、移動時の痛みが少ないと言われているセルフライゲーションブラケット(デーモン、クリッピー)、リンガル(裏側)のブラケット(インコグニトその他)、インピザラインなど、幅広い選択肢の中からお選びいただけます。
実は、各装置には特性があり、それらを熟知していなければ使いこなすのは至難の業。こうした装置に精通し技術を提供できるのも、優れた技術力をもつ院長だからこそといえます。装置の種類によっては症状により向き不向きがあります。治療開始時に充分ご説明させていただいた上で患者さまのご希望も踏まえながら装置の選択、治療方法の選択を行います。
大学では卒業後、矯正歯科に入局し大学院を専攻しました。大抵の場合、大学院に進むと研究が主になり治療を行う機会が少なくなります。しかしながら私を指導してくださった恩師は違いました。「研究は臨床ありきで行うもの」「研究と臨床とは車の車輪の如く両方が同時に進んでこそ意味あるもの」と。
そのお陰もあり大学院4年間は研究だけでなく治療に関しても多くの経験をさせていただきました。但し、日中は外来で治療を行うため研究はなかなかできず、研究は診療後から始め深夜に至ることもしばしばの毎日でした。
大学院の4年間は臨床と研究で大変に辛い期間でしたが、今となっては治療経験だけでなく人生経験においてもとても貴重な4年間だったと思っています。指導してくださった諸先生方にはとても感謝をしております。
歯学博士号を取得した後も、上司、先輩方の指導の元に引き続き臨床と研究の両方を行いながら治療の経験を積みました。その後、助教の職務に就かせていただき、若い先生・後輩の指導、歯学部学生さんの教育、技工士学校での非常勤講師として教育などにも携わり、指導する難しさと責任を痛感しました。
その後、指導医の資格をいただきましたが、指導する立場の責任をいつも感じながら毎回の診療にも望んでおります。
指導する立場から学問的・学術的なことをベースにしつつ、ただそれに偏りすぎることなく、患者さまにとってメリットがあると思われる治療手段は一つでも多く吸収し、それを提供していきたいと思っております。
今までに身に付けた治療手段の中から患者さまにより適していると思われる治療方法を選択し、患者さまのライフスタイルやご要望をお聞きしながら、シンプルな方法でできる限り早くきれいに仕上げることをいつも目指しております。
そのためには検査結果をもとに現在の状態とそこに至った原因を明らかにするとともに、どのような治療を行っていくか、また医学的にできることとできないことをきちんとご説明して、ご納得いただけるまで充分にお話し合いをさせていただいてから治療を開始するようにしております。
治療のステップ毎にも同じことがいえます。医師が求める理想と患者さまが求めるものの間にできる限りズレが出ないようにコミュニケーションを毎回とるように心掛けております。
何よりも最終的には素敵な笑顔で治療を終えられること、それを目的に毎回の治療に取り組んでおります。
矯正治療は歯を移動することで歯並びを治療します。装置で歯を動かすということは歯に刺激が加わり、ある強さ以上になると歯周組織が反応し発痛物質が生じ、痛みが発生します。けれども、治療中の痛みは、工夫することである程度軽減することができます。
当院では弱い小さな力で歯を動かす“ローフォース・ローフリクション”の治療で、できるだけ痛みの少ない矯正治療を行っています。これはセルフライゲーションブラケットを使った矯正法で、弱い力で歯を動かしていくことで、治療中の痛みや炎症を軽減しています。
セルフライゲーションブラケットにはさまざまなタイプがありますが、その中でも、当院ではデーモンブラケットをご提案しています。すべての装置において、ローフォース・ローフリクションの治療を心がけていますので、痛みが気になる方でも安心していただけます。
<当院の痛みの少ない治療の特徴>
ローフォース・ローフリクションは直訳すると「弱い力・弱い摩擦」という意味。セルフライゲーションブラケットを使い、できるだけ痛みの少ない矯正治療を可能にしています。
特徴は、弱い力で歯を移動させることができるので、移動するときの痛みが少ないこと。ワイヤーが動くときの抵抗が少ないので、効率よく歯が動きます。治療期間が短縮され、乱ぐい歯や凸凹の歯も短期間できれいに整います。体にも優しい矯正治療法です。
1990年半ばにアメリカのデュイット・デーモン博士により、新しい発想で開発された装置で、セルフライゲーションブラケットの一つです。
従来のブラケットはワイヤーを装置に通し、両端をゴムやリングで止めて固定しています。そのため歯を引っ張る力が強く働き、痛みの原因になっていました。一方、セルフライゲーションブラケットはワイヤーをゴムで止めていません。ワイヤーがスムーズに動き、弱い力で歯を引っ張るので、痛みが少なく効率よく動かせるのです。
このタイプにはクリアスナップやクリッピーなどさまざまな種類がありますが、当院では、セルフライゲーションブラケット装置(デーモンブラケット)を推奨しています。
歯を効率よく動かすためには、歯を支える歯根膜という膜の血流を途絶えさせないことです。強い力で引っ張れば歯は早く動くと思われがちですが、強い力はこの血流を遮断してしまい歯の動きを悪くさせるだけでなく歯の根っこなども吸収させてしまう場合があります。セルフライゲーションブラケット装置(デーモンブラケット)とデーモンワイヤーの組み合わせは、矯正治療のあらゆる段階を通じて歯に適した弱い力が使えるように設計されています。
最近では従来型のセルフライゲーションブラケット装置(デーモンブラケット)に改良を加えた「デーモンクリア(Damon clear)」が開発され、透明で目立ちにくく、しかも歯の動きが効率的で痛みが少ない矯正装置として注目されています。
<セルフライゲーションブラケット装置(デーモンクリア)の特徴>
従来の舌側矯正(裏側矯正)は、「唇側矯正(表側矯正)に比べて違和感が強く喋りにくい」「唇側矯正(表側矯正)に比べて時間がかかる」と言われていました。しかし、治療技術の進化により違和感や負担が少なく、しかも唇側矯正(表側矯正)と効果の変わらない舌側矯正(裏側矯正)が実現しています。そのため当院では、患者さまの7割以上の方が舌側矯正(裏側矯正)を選択されています。
歯並びを治したいが装置が目立つのが嫌で矯正治療に取り組めないという方や、職業柄、唇側矯正(表側矯正)は業務に支障をきたす方がいらっしゃいます。そうした方々にも、舌側矯正(裏側矯正)できれいな歯並びを手に入れていただきたいと願っています。
「カスタムメイド舌側装置(インコグニト)」とは、外から見えない舌側矯正(裏側矯正)の治療法の一つで、CAD/CAM先端技術を用いることにより、患者さま一人ひとりの歯並びに合わせて正確な位置に並べられる画期的な歯列矯正法です。複雑な歯の形状にもフィットするため脱離しにくく、金合金のブラケットは非常に薄く設計されているため、発音に対する影響が従来の装置に比べると少なくなり、患者さまの負担がとても少ないのが特徴です。
カスタムメイド舌側装置(インコグニト)では、個人の歯にフィットした超薄型のブラケットと、きちんと寄り添うよう加工したワイヤーを使用します。手作業では作れない精巧な装置なので、違和感や話しにくさを最小限に抑えることができます。
従来、石膏模型上で行われている装置作製の作業ですが、カスタムメイド舌側装置(インコグニト)ではデジタル技術を用いて設計することで装置の精度がかなり高くなりました。
装置の設計・製作はコンピュータ上で行われ、既製品の装置と異なりフル・カスタム・メイドで製作します。患者さまごとに適した装置ができ上がるため、精度が非常に高いのが特徴です。
装置製作のために取った歯型をコンピュータでスキャンします。取り込まれたデジタル上の歯型で歯並びを整え、装置を設計します。
このようなデジタル技術を用いた装置の設計・製作はヨーロッパやアメリカを中心に普及しています。当院もヨーロッパ(ドイツ)に製作を依頼しております。装置の精度が向上することで治療の精度も向上し、治療期間の短縮にも結び付いています。
装置の性能や精度の改良についてはもちろんですが、患者さまにとって少しでも快適になるような修正も度々加えられています。たとえば装置の厚さを薄くできるところに関しては薄くしたり、角を丸めて舌に擦れにくくなるようになどの修正がなされています。
元々カスタムメイド舌側装置(インコグニト)は裏側の装置として厚さが薄く設計されており、装置を装着した後も「思ったより違和感が少ない」「発音がもっと苦労すると思っていたけど大丈夫かも」といったご意見をいただき、患者さまに大変好評です。
ドイツの研究機関の調査報告では、カスタムメイド舌側装置(インコグニト)で治療した患者さまの虫歯発生率は、唇側の矯正装置で治療した患者さまの約1/5という結果でした。つまりカスタムメイド舌側装置(インコグニト)は虫歯になりにくいことがわかっています。
理由は、舌側矯正(裏側矯正)は歯の裏側に装置がついているので唾液で洗い流されやすいことや、カスタムメイド舌側装置(インコグニト)のブラケットベースと歯との境界部がスムーズに移行しているため、歯につく汚れが付着しづらい、さらに正確にフィットするように作られた装置なので、装置と歯の隙間がほとんど生じないことも理由の一つです。
矯正治療に適した10代から20代の若い方は、歯磨きが行き届かず虫歯になりやすい傾向にありますので、虫歯予防という点からもカスタムメイド舌側装置(インコグニト)はお勧めできます。
矯正歯科治療に伴う一般的なリスクや副作用について
未承認医薬品、医療機器等の明示について
未承認医療機器の使用について
●未承認医薬品等の使用・国内の承認医薬品等の有無について
マウスピース型矯正装置(インビザライン®)およびカスタムメイド型リンガルブラケット矯正装置(Incognito®)は、医薬品医療機器等法において承認を得ていない医療機器になります。医薬品医療機器等法の承認を受けておりませんので、医薬品副作用被害救済制度の対象外となる場合があります。
インビザラインのサポートソフトであるクリンチェックおよび光学スキャンに用いているこう口腔内スキャン装置iTero Elementは医薬品医療機器等法上の承認を得ています。
●入手経路について
マウスピース型矯正装置(インビザライン®)は米国アライン・テクノロジー社(Align Technology, Inc.)の製品となります。当院ではインビザラインシステムを、グループ会社のインビザライン・ジャパンから入手しております。
カスタムメイド型リンガルブラケット矯正装置(Incognito®)は、米国3M Unitek社の製品です。当院ではグループ会社である3Mジャパン社を通じて入手しています。
●国内の承認医薬品等の有無の明示
マウスピース型矯正装置はインビザラインの他にもさまざまな種類があり、その中には国内で薬事承認を得ているマウスピース型矯正装置もあります。
リンガルブラケット矯正装置として国内で承認された、Incognito®と同様の医療機器があります。
日本国内で医療機器と認められるためには、薬事承認されている材料を使用して、日本の国家資格を持った歯科医師または歯科技工士が製作したもの(歯科技工物)・薬事承認された既製品である必要があります。海外で製造されているマウスピース(インビザライン®)、リンガルブラケット矯正装置(Incognito®)はあてはまりません。
●諸外国における安全性等の情報
インビザラインは、全世界で800万以上の症例数を持つ治療システムです。(2021年時点)
歯科矯正の一般的な個別のリスク以外でインビザラインに特有の重大な副作用の報告はありません。
Incognitoは世界の90か国以上で採用され、ヨーロッパでのシェアは60%以上です。(2019年時点)これらの国において、重篤な副作用の報告はありません。