2012/01/14
矯正治療というとまだ子供がするものと思われている方もいらっしゃるようです。
ですが最近は、50~60歳代の方が矯正治療をされる事も増えています。
見た目ということもありますが、差し歯や入れ歯、インプラントを行う際に、できる限り良い条件で入れ歯やインプラントを入れるために歯並びや噛み合わせの修正を行うというものです。
虫歯や歯周病などで歯が悪くなってしまったので差し歯や入れ歯、インプラントになってしまった・・・という場合もありますが、歯並び・噛み合わせが良くなかったために差し歯や入れ歯、インプラントなどになってしまったと考えられる場合も多く見られます。
すべての症例にあてはまるわけではありませんが、歯並びや噛み合わせが良くない状態で差し歯や入れ歯、インプラントを治療したとしてもそれらが長持ちしないことが多々あります。
そのような大人の方の症例を診ていると、改めて歯並び・咬み合せの重要さを再認識させられますし、お口の健康をできる限り長く保つには早い時期から歯並び・咬み合せを整えておくことの必要性を痛感します。
つまり大人の方の矯正治療を行っていて気付くのは予防的観点からみた子供の矯正治療の重要さを改めて感じるのです。
アメリカでは子供のうちから矯正治療を行うのが普通ですが、まったくもって理に適っていることだと思います。
ただ日本では “歯並び・噛み合わせはずっと気になって悩んでいたけど矯正治療を始めるきっかけがなかなか見つからなかった”という方も多くいらっしゃいます。
とくに30代、40代の方で、そのような悩みを抱え来院され、矯正治療をされる方も多くなっています。
きっかけがなかなかつかめなかったというのもありますが、友人が “矯正治療中は痛いよ” という事も聞いていて、なかなか最初の一歩を踏み出せずにいた・・・という理由も多いです。
ですが、そのような方々が矯正治療を始めてよくおっしゃるのが”これこくらいのことならもっと早く矯正治療を始めればよかった”ということです。
矯正治療を始めるのに早いに越したことはないのですが、矯正治療を始めるのに年齢制限はありません。
始めようと思ったときが開始時期です。
そして、その方にお子さんが出来た時にはご自身の経験を踏まえて、矯正が必要そうであれば子供のうちから矯正治療をしてあげて、またそのお子さんが大きくなった時にはまたその子供に・・・というような世代に渡る繰り返しが出来れば良いなと考えております。
診療開始は1月6日金曜日9:30からとなります。
本年もどうぞ宜しくお願い申し上げます。
2011/11/29
前々回の記事では前歯の矯正治療を行う際に、出っ歯・八重歯であっても噛み合わせに違いがある場合についてお話をしました。
ひとつには噛み合わせが“深い”といわれる“過蓋咬合”(かがいこうごう)、逆に噛み合わせが“浅い”といわれる“開咬”(かいこう)があります。
今回は、これらの噛み合わせでよく起こるトラブルについてお話したいと思います。
≪過蓋咬合でよく起こるトラブル≫
上の前歯が下の前歯に覆い被さる量が大きいので下の前歯が上の前歯に強くぶつかり、上の歯が突き上げられることが多く、よく上の前歯にトラブルが生じるのがこの噛み合わせです。
上下の前歯が強く擦れあうことが多く、歯が不自然な形に削れてしまいます。
削れることで歯が薄くなり、歯の先端が欠けてしまうことがあります。
そして年齢とともに前歯が前に出ていわゆる出っ歯になって前歯の真ん中に隙間が生じることがあります。
40~50代からよく見かけるケースです。
また歯の治療をしても被せ物がよく外れたり壊れる方がいらっしゃると思いますが、このような噛み合わせに原因があることが多々あります。
≪開咬でよく起こるトラブル≫
奥歯でしか噛み合わない場合です。
噛む力を奥歯ですべて負担してしまうので、奥歯によくトラブルが生じます。
奥歯のみが平らにすり減ってしまう。
奥歯にクラック(亀裂)が入って虫歯になりやすくなる。
治療した奥歯の詰め物・被せ物が割れる、壊れやすい。
結局、何度も治療した末に歯を抜かなければならなくなる。
その結果、入れ歯やインプラントにするが、それらもまた悪くなってしまう…
このような悪循環になりやすいのが開咬という噛み合わせです。
歯が悪くなる理由は様々な原因がありますが、このような噛み合わせが原因で歯が悪くなっている方をよく見かけます。
若いうちは抵抗力があってなんとかなっていますが、年齢とともに噛むことに支障がでて健康に影響します。
歯が悪くなったら削ったり抜いて治すのが日本ですが、歯が悪くならないように予防したり、歯並び噛み合わせを治したりメインテナンスをとても大切にしているのがヨーロッパやアメリカです。
ですが最近は日本でもこのことに気づいて治療に来られる患者さまが増えているのを感じます。
大人、子供を問わず予防やメインテナンスを重視した治療に力を入れていきたいと思っています。
渋谷区 恵比寿 広尾 矯正歯科専門
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2011/11/19
前回の記事では前歯が出っ歯の状態でも、噛み合わせが違う場合のあることをお話しました。
今回はその中でも、前歯が噛み合わない場合についてです。
上下の歯が噛み合わない場合を開咬(かいこう)といいます。
原因としては遺伝がありますが、後天的な原因もあります。
例えば、指しゃぶり、舌を突き出す癖、慢性的な鼻炎による口呼吸、低位舌、楽器などが挙げられます。
今朝のNHKのニュースで取り上げられていましたが、このような生活習慣によることが歯並び・噛み合わせに影響する場合があります。
子供のうちに周囲が早く気付いて対処してあげることで将来の噛み合わせが悪くなることを予防できます。
しかしながら周囲も気付かなかったり、気付いていたけど治療するきっかけがなかなかつかめない場合もあります。
このような噛み合わせも矯正治療で治すことができます。
子供のうちの開咬を放置して、成人になって骨が固まってしまうと治療の内容が複雑になることが多くなります。
子供のうちに早期に対処してあげることで悪化を防げることが多々あります。
子供も大人も虫歯に気をつけるだけでなく、虫歯や噛み合わせが悪くなるような生活習慣自体に問題がないか改めて注意して見てみましょう。
開咬を放置した場合の障害はどのようなことが考えられるでしょうか?
次回はこの内容についてお話したいと思います。
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2011/11/14
一般的によくいう出っ歯の状態ことを専門的には上顎前突(じょうがくぜんとつ)といいます。
前歯が出ていることを悩まれて来院されますが、同じ前歯が出ているという状態でもかみ合わせには違いがあります。
ひとつは
上の前歯が下の前歯に覆い被さり、下の前歯が見えないくらいの状態。
過蓋咬合(かがいこうごう)と呼ばれる状態で、噛み合わせが“深い”などといいます。
正常な噛み合わせは上の前歯が下の前歯を覆う量が2~3mmですが、それ以上は過蓋咬合の傾向になります。
下の歯が上の前歯に隠れて見えな程の状態です。
写真では見えませんが、下の前歯は上前歯の裏側の歯ぐきを噛んでいます。
ほかには
前歯が前に出ているのは同じですが、上記の過蓋咬合とは逆に上下の歯が噛まない場合の上顎前突もあります。
上下の歯が噛み合わない状態を開咬(かいこう)といいます。
噛み合わせが“浅い”などといいます。
奥歯のみ噛み合っていて前歯は噛み合わない状態。
奥歯の負担が大きくなります。
このように前歯が出ている状態でも、程度に差はあるものの噛み合わせには違いがあります。
この違いは、あごの骨の大きさや成長方向の遺伝的原因や口呼吸、習癖、舌の位置、嚥下の仕方などの後天的原因によって生じます。
噛み合わせが異なると、同じ出っ歯(上顎前突)の矯正治療でも治療方法が異なります。
この噛み合わせの違いの原因を調べるために精密検査や問診・カウンセリングがとても重要です。
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2011/11/07
歯は上下で噛み合っていると自然と削れていき、上下での歯の接触の仕方は徐々に馴染んでいきます。これを専門的には咬耗(こうもう)といいます。
しかしながら八重歯で糸切り歯(犬歯)が表側に飛び出していて上下の歯と噛み合うことがないと普段、歯は使われていないので犬歯の先端は削れることがなく尖ったままになりやすくなります。
矯正治療で歯を理想的な位置に並べていくと、この犬歯が尖っているというこが審美的にマイナスの要因になってきます。
すなわち前回お話したスマイルラインから犬歯の尖った部分が飛び出てしまい、矯正治療後でも少しだけですが牙(キバ)っぽく見えてしまうのです。
アメリカのTom Pitts先生はスマイルラインに視点をおいた矯正治療をされている先生ですが、その先生のセミナーに参加した際には、八重歯に限らず多くの場合で犬歯の先端の形態修正が必要ということでした。
特に八重歯の場合では犬歯が尖っているため歯の先端を丸めた方が審美的に良いことが多いように私も感じています。
そのため患者さまにはこのような理由を説明させていただき、ご納得していただければ犬歯の形態修正をさせていただいております。
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