2010/11/25
矯正治療の相談でいらっしゃる方は様々な悩みをお持ちです。
たとえば前歯が出ている(上顎前突:じょうがくぜんとつ)と悩んでいらっしゃる場合でも次のようなパターンがあります。
・上顎の骨が大きい場合
・逆に下顎の骨が小さくて相対的に前歯が出ているように見える場合
・顎の大きさにはあまり問題はなく歯だけが前に傾いて出ている場合など
またこれらの状態が複雑に絡み合っている場合も多々あります。
逆に下顎がでている反対咬合(はんたいこうごう)の場合でもその成り立ちは様々です。
また顎の大きさだけでなく、その成長する方向も様々です。
矯正治療を始める前にはこれら顎の大きさ、角度、成長方向、歯の傾き、その他様々な項目を確認することが必要です。
噛み合わせの症状が似ていても原因が異なれば治療方法も異なります。体の病気と同じようにどこに問題があるのかを確認してから治療を行う必要があります。
そのため矯正治療を行う前には詳しい検査が必要になります。
そしてその検査の結果を読み取るために経験と知識が必要であり、矯正歯科が専門科目であることが多いはそのためです。
レントゲンや歯型、顔や口の中の写真などの資料を揃えることに加え、さらに全身の健康状態や歯並び・噛み合わせに関係するような習癖、食習慣や嗜好品などについてまでお聞きする場合があります。
それらを総合的に判断(診断)して、
①機能的な歯並び・噛み合わせ
②それだけでなく美しい口元、顔かたち
③将来的に健康な歯、歯周組織が維持
④これらが出来る限り長期に安定するような状態
を達成するためにはどのようにしたらよいかを検査資料から治療計画を考えます。
また患者さまのご希望も踏まえ、治療計画はひとつだけでなく複数になることも多々あります。
良い結果を出すためには
・歯を抜かない(非抜歯)計画がよい場合もありますし、
・逆に抜歯した方がよい結果につながる場合もあります。
・また装置によっても異なってくる場合があります。
但しこれらは治療の手段であって、あくまで治療の目的は①~④の項目をできる限り良い状態にすることです。
そのためには私たち歯科医師・矯正歯科医の治療に加え、患者さま自身の治療内容に対するご理解、毎日のホームケアが大変重要になります。
矯正歯科医と患者さま、お子さんの場合は保護者の方も協力して頂き治療を進めることが良い結果、素敵な笑顔につながる秘訣です。