2012/04/15
以前もご紹介しましたが、歯の汚れやすい部分は大体決まっています。
図の紫色に示した部分で、表も裏も歯と歯の間、歯と歯ぐきの境目に主に歯垢(プラーク)はたまります。
つまり、何か何かとの境い目は歯垢がたまりやすく、逆に歯の先端や真ん中の面はたまりにくい部分といえます。
誰しもちゃんと磨けている部分と、どうしても磨き残してしまう部分があります。
毎日の歯磨きで気をつけることは、磨き残し部分がどこなのかをまず知ることから始まります。
歯がきれいに並んでいる時でさえ歯垢がたまりやすい部分があるのに歯がでこぼこであったり、装置が付けばなおさら汚れやすい状況(下写真)になります。
上には表側の矯正装置が付いていますが、歯磨きがうまくできていないために、一個一個の装置の周り、とくに歯と歯ぐきの境い目、歯と歯の間に歯垢がたまっています(上写真:紫色部分)。
歯ぐき(歯肉)は腫れており、歯磨きにより出血しやすい状態です。
下の装置がついていない歯も同様に歯ぐきの境目に歯垢がたまっており(上写真※①)、糸切り歯(犬歯)のでこぼこの部分は特にです(上写真※②)。
それに対して歯の真ん中や先端部分は歯垢が付いていません。
では歯垢がたまったままだとどうなってしまうでしょうか。
歯垢細菌の酵素の働きにより食事中の糖質が分解され酸が生産されます。
つまり歯の表面からカルシウムやリン酸が溶け出して、下の写真のように歯の表面が白く濁ったような脱灰(だっかい)状態が生じます。いわゆる初期虫歯の状態です。
上写真はしばらくの間来院がなく、歯磨きの状況も良くなかったため装置を外した写真です。
装置の周りに沿って四角に白く脱灰が生じています。この脱灰が進行すると歯の表面に穴ができてしまいます。装置の形に四角く虫歯ができてしまうのです…
歯並びがきれいになっても、歯がこのような状態になっては悲しいのです。
月に1回、装置の調整で来院した時に装置周りはきれいにするのですが、残りの期間はご自宅でのホームケアが主になるので毎日の歯磨きの仕方がとても重要になります。
まずは普段の歯磨きできれいになっている部分と意識的に気を付けて磨かないと汚れが残ってしまう部分をよく知ることが大切です。
汚れが残ってしまう部位をよく知って、意識して磨き残しがないようにブラッシングをすることが大切です。
受付さんに毎回アレンジして頂いているエントランスのお花(左写真)。
ステンドグラスのキャンドルポッドにリナメルホームケアペーストを飾りました(右写真)。
リナメルによるメインテナンスで歯には光沢が出てつるつるに、そして汚れが付きにくくなります。
矯正治療は行わなくとも、歯のトリートメントケアはぜひ受けて頂きたいメニューのひとつです。